SEO対策において、クリック率(CTR)の改善は重要です。他競合の記事よりも多くの流入数が見込め、大幅なSEO効果をもたらす重要な指標になります。
この記事では、SEOとの関連性や順位の改善方法、おすすめの検索順位チェックツール5つをご紹介します。SEO担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。⇒レイアップに相談する(無料)
クリック率(CTR)とは?
クリック率(CTR、Click Through Rate)は、インターネット上の広告や検索結果の表示回数(インプレッション)に対して、ユーザーが実際にクリックした割合を示す指標です。
Googleなどの検索エンジンで表示される検索結果や記事がクリックされる割合を指します。重要な指標でありながら、軽視されがちです。
クリック率は順位と相関する結果指標として考えられており、直接的にクリック率を上げる戦略が見落とされがちですが、クリック率自体にもっと注目して戦略を練る必要があります。
クリック率の計算式
CTR(クリック率)の計算式は、クリック数をインプレッション数(表示回数)で割り、その結果を100倍することで求められます。
CTR(%) = (クリック数 ÷ インプレッション数) × 100
たとえば、広告が2,000回表示され、10回クリックされた場合のCTRは「0.5%(10 ÷ 2,000 × 100)」です。
CTRは0%から100%の範囲で推移し、一般的に高いほど良いとされますが、状況によっては必ずしも高い方がよいとは限りません。
クリック率の重要性
クリック率(CTR)の重要性は、SEOや広告業界において非常に大きいといえます。
CTRが高いことは、特定のページや広告が他のものよりも多くクリックされていることを意味します。より多くの流入数とSEO効果をもたらす重要な指標です。
とくに広告業界では、CTRが広告ランクを決定する重要な要素とされています。
しかし、CTRの向上だけでなく、ページコンテンツの質を同時に向上させなければなりません。
そして、最終的な目標はコンバージョン(CVR)の増加であるため、両立させる努力が必要です。
検索順位別クリック率
下記の表は、seoClarityによる2021年11月の日本における検索順位別平均クリック率(CTR)の分析結果です。
この結果から、全体的に上位ポジションのクリック率が大幅に低下していることが分かります。
順位 | クリック率 |
---|---|
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
検索結果の1ページまたは2ページ目のオーガニック検索結果は、全検索の約65%を占めました。
また、Google広告が検索結果に表示されている状況では、1位のCTRが平均よりも大幅に低くなる傾向があります。
検索結果画面のUIの違いにより、CTRは検索クエリごとに大きく変動します。そのため、CTRの平均値だけに依存せず、自サイトの実データを用いた分析が重要です。
この分析はGoogleサーチコンソールとスプレッドシートを利用して5〜10分で完了するため、詳細な分析が推奨されます。
キーワードによるクリック率の4つの傾向
キーワードによるクリック率の傾向には、以下の4つが挙げられます。
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ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.ブランドサーチと非ブランドサーチ
ブランドサーチは、企業やブランド名、商品名、サービス名などを含む検索キーワードを使用する検索です。
上記のグラフは「Advanced Web Ranking – Google Organic CTR History」のデータです。
水色:ブランドキーワード
オレンジ:非ブランドキーワード
たとえば、「Apple watch」というように特定のブランドを指定する検索は「ブランドキーワード(サーチ)」と呼ばれます。ブランドサーチは通常、クリック率やコンバージョン率が高いとされます。
対照的に、非ブランドサーチはブランド名を含まない一般的な検索キーワードで行われる検索です。
たとえば、「安い 保険」や「子供 靴」といった検索キーワードを指します。
非ブランドサーチでは、検索結果に競合他社が多く含まれるため、ブランドサーチと比べてクリック率やコンバージョン率が低くなる傾向があります。
2.キーワードの数
キーワードの数が増えると、クリック率(CTR)の向上が見られる傾向にあります。
とくに、2語から4語のロングテールキーワードは、1位以外の検索順位でも高いクリック率です。
水色:1語キーワード
オレンジ:2語キーワード
紫:3語キーワード
薄紫:4語キーワード
たとえば、「レストラン」より「レストラン おすすめ」や「レストラン おすすめ 東京」といった複数語のキーワードの方がクリックされる可能性が高くなります。
これは、キーワード数が増えるほどユーザーの検索意図が明確になるためです。
具体的な答えを求めているユーザーは検索順位に関わらず、最適な答えを提供するページをクリックする傾向があります。
3.検索意図
クリック率は検索意図によっても大きく異なります。
紫:コマーシャルクエリ→購入系クエリ
オレンジ:インフォメーショナルクエリ→情報系クエリ
薄紫:ロケーションクエリ→ナビゲーション系検索クエリ
黄色:スペシフィックインテントクエリ→特定クエリ
購買系のキーワードは、具体的な商品やサービスの購入意図を持つキーワードです。
たとえば「iPhone 15 購入」や「引越し業者 比較」があり、これらのキーワードでは1位のクリック率が31.47%に達します。
一方、情報検索系のキーワードは、疑問解決や学習を目的としたキーワードです。「SEOとは?」や「ブログ 書き方」などが該当し、1位のクリック率は19.66%になりました。
この差は、情報検索系キーワードでは検索結果ページ(SERPs)上での強調スニペットなどにより、サイトにアクセスせずとも情報を得られることが一因です。
対して、購買系キーワードではユーザーがサイトを訪れる必要があるため、クリック率が高くなる傾向にあります。
4.ジャンルや領域
クリック率(CTR)はジャンルやカテゴリーによっても大きく異なります。
水色:アート・エンターテインメント
緑:ペット
たとえば、「アート・エンターテインメント」と「ペット」という異なるカテゴリーでは、各順位におけるクリック率に顕著な差が出ました。
これは、同じ検索順位でもジャンルによってユーザーのクリック行動が大きく変わることを示しています。
サイト運営者が自身のサイトのジャンルにおけるCTRを詳細に把握したい場合、「Advanced Web Ranking」などのツールを活用することがおすすめです。
ツールを使用することで、ジャンルごとのCTRのばらつきを理解し、適切なSEO戦略を立てるためのデータが得られます。
クリック率とSEOの関連性
クリック率がSEO、とくにGoogleの検索順位に直接的に影響を与えるかについては、明確な答えはありません。
Googleはクリック率が直接的に検索順位を上げるとは公言していませんが、間接的な影響は否定できません。
GoogleのAIはユーザーにとって有益なサイトを評価し、検索順位を決定します。
そのため、多くのユーザーが関心を持ちクリックするサイトは、AIによって価値あると判断される可能性があります。結果的に、検索順位が上昇するかもしれません。
CTRを高めるための取り組みについて、自作自演のような手法はおすすめできません。
代わりに、ユーザーの関心を引きつけるコンテンツを作成し、自然な方法でクリック率を高めることが求められます。
クリック率の確認方法
CTR(クリック率)は、「Google Search Console(グーグルサーチコンソール)」を使用して確認できます。やり方は、以下の通りです。
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このツールでは、平均CTRだけでなく、検索クエリ、ページ、デバイス別などさまざまな条件でCTRをチェックできます。
期間を自由に選べるので、特定の期間内でのCTRの変動やSEO対策、改善施策の効果を分析することが可能です。
クリック率を改善するためのポイントは4つ
クリック率を改善するためのポイントには、以下の4つが挙げられます。
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ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
ポイント1.魅力的なタイトルをつける
クリック率を高めるための重要なポイントとして、魅力的なタイトルの付け方が挙げられます。
ユーザーは記事のタイトルを見て、そのページにアクセスするかどうかを判断します。そのため、ユーザーの検索意図やニーズを満たすタイトルを作ることが重要です。
コンテンツ制作では、「誰の・どのような悩みを解決するか」ということを常に意識することが求められます。加えて、以下のポイントを取り入れることが大切です。
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上記のアプローチは、ユーザーの興味を引きつけ、より多くのクリックを促すことにつながります。
ポイント2.メタディスクリプションを最適化する
メタディスクリプションの最適化は、検索結果でのクリック率を高めるために重要です。メタディスクリプションを作成する際は、以下の4つがポイントになります。
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対策キーワードを含めつつも、キーワードを単に羅列するだけではなく、ページの内容に合致する説明的な文章を心がけてください。
また、設定したメタディスクリプションが必ずしも検索結果に表示されるわけではありません。Googleがページ内容の一部を自動的に選択して表示する場合もあります。
ポイント3.URLを最適化する
効果的なURL最適化のためには、いくつか注意するポイントがあります。
まず、短いURLは理解しやすく、クリック率が高くなることが知られています。ユーザーにとってわかりやすく短いURLを目指してください。
また、URLに対策キーワードを含めることで、クリック率が45%上がることが示されています。ユーザーが検索している内容を反映したキーワードをURLに組み込むことが重要です。
そして、URLの正規化も重要です。同じ内容のページが複数存在すると、検索エンジンによる評価が分散し、ページのインデックスが悪化する恐れがあります。
重複コンテンツとして扱われたり、被リンクの分散が生じたりすることも懸念されます。URLの正規化には、以下の方法を参考にしてください。
canonicalタグの設定により検索エンジンにページの正規URLを指定し、評価対象のページを統一できます。
また、htaccessファイルを使用した301リダイレクトの設定は、正規URLへ自動的にリダイレクトさせ、URLの正規化が可能です。
これらのポイントを押さえることで、効果的なURL最適化が可能となり、結果としてクリック率の向上につながります。
ポイント4.強調スニペットを意識したコンテンツを作成する
クリック率を上げるための重要なポイントのひとつとして、強調スニペットを意識したコンテンツ作りがあります。
強調スニペットは検索結果に特別な枠が用意されており、目立つ形で表示されるため、通常の検索結果よりもユーザーの注意を引きやすく、結果として高いCTRを期待できます。
しかし、強調スニペットが必ず表示されるわけではありません。コンテンツ最適化は他のSEO対策が一通り完了したあとに取り組むことをおすすめします。
おすすめの検索順位チェックツール5選
おすすめの検索順位チェックツール5選をピックアップしました。特徴などを詳しく解説します。
1.検索順位チェッカー
引用:検索順位チェッカー
検索順位チェッカーはGoogle、Yahoo!、Bingの3大検索エンジンに対応しており、ブラウザ上で検索順位を表示します。
このツールは、1回の検索で最大5つのキーワードを指定でき、検索対象範囲は上位100位までの結果を確認可能です。PCだけでなくスマートフォンにおける検索順位も調べられます。
さらに便利な機能として、ひとつの検索条件(URLとキーワード)を保存できるため、同じ条件であれば毎回の入力が不要です。
また、表示されたデータをCSV形式でダウンロードすることも可能です。このツールにより、SEO対策において重要な検索順位のトラッキングが容易になります。
2.SEOチェキ!
引用:SEOチェキ!
SEOチェキ!はGoogleとYahoo!の検索結果を表示するブラウザ上のツールです。1回の検索につき3つのキーワード設定ができます。
他の無料ツールと比較すると検索結果の表示が迅速で、SEOに関連する多様なデータを簡単に取得できる点が特徴です。
サイト内部のSEO状況、発リンクのチェック、キーワード出現頻度など、SEO初心者にも理解しやすいデータが提供されています。
さらに、ブックマークレット機能を使えば調べたいサイトを開いている状態で直接アクセスし、自動的にそのサイトの分析を開始できます。この機能は、競合サイトの分析や比較にも便利です。
3.ohotuku.jp
引用:ohotuku.jp
ohotuku.jpは、Yahoo!の上位10位とGoogleの上位100位までの検索順位をブラウザ上で確認できるツールです。
キーワードは1回の検索で最大3つまで設定可能で、結果表示までの時間は約10秒から1分になります。
このツールの便利な点は、過去にチェックしたURLとキーワードが履歴として保存されることです。
さらに、キーワード選定やリダイレクトチェックなどのSEO関連ツールも提供しており、無料ツールとしてはエラー率が低いのが特徴です。
4.MIERUCA
引用:MIERUCA
MIERUCAは、Googleサーチコンソールなどと連携し、流入数やコンバージョン数を推定するクラウド型SEOツールです。
このツールは、コピーチェック機能やヒートマップ機能、CVワード推定機能など多角的な機能を備えており、SEOからの集客に本格的に取り組む企業に適しています。
とくに注目すべき機能は、競合サイトのキーワード分析、関連キーワードの抽出と分類、ユーザー行動の可視化などです。
これらの機能に加えて、Webマーケティングに特化したコンサルタントによるサポートや、コンテンツ品質の判定と改善アドバイスを受けられる機能もあります。
5.SEARCH WRITE
引用:SEARCH WRITE
SEARCH WRITEは、SEO対策に必要な情報を網羅的に取得できるマルチSEOツールです。
このツールは、セッション数、新規訪問数、平均滞在時間などの重要なデータを提供し、グラフや表を用いた視覚的で分かりやすいインターフェースが特徴です。
また、関連ワード分析や自社キーワード分析を通じて、SEO戦略において重要なキーワードの把握を容易にします。
競合他社の上位記事の文字数や見出し数の分析も可能で、チームでの運用に特化した設計も特徴的です。導入サポートが充実しているため、SEO初心者にもおすすめです。
検索順位 クリック率でよくある3つの質問
検索順位のクリック率でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
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ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.Googleが検索順位を決める仕組みは?
Googleの検索順位決定の仕組みは、以下の三段階のプロセスに分けられます。
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検索順位において重要なのは、記事の質、新しさ、権威性などが判断基準とされていることです。ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することが順位上昇につながります。
質問2.検索順位チェックツールの選び方は?
検索順位チェックツールを選ぶ際は、以下の3つのポイントがあります。
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このほかにも、費用対効果や自社Webサイト運営の効率が向上するかどうかがポイントです。上記の点を踏まえた上で、自分のニーズや運営スタイルに合ったツールを選ぶことが重要です。
質問3.CTRは高いほど良い?
CTR(クリック率)が高いことはSEOや広告運用において重要ですが、ただ高いだけが良いわけではありません。
魅力的で刺激的なタイトルやメタディスクリプションを使ってCTRを高められても、それらがページ内容と一致していない場合、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
その結果、Googleなどの検索エンジンはそのページを低品質と評価し、ペナルティの対象になる可能性があります。
そのため、タイトルやメタディスクリプションは、ページの内容に合致するものを選ぶことが重要です。
これが結果的にCTRの向上につながることもあります。CTRを上げるための詐欺紛いのテキスト設定は避け、ユーザーの利便性を第一に考えた魅力的なコンテンツ作りが求められます。
まとめ
SEOとクリック率の関連性や検索順位の改善方法、おすすめの検索順位チェックツール5つをご紹介しました。
コンテンツを制作しているとしばしばクリック率(CTR)の存在は後回しになりがちです。
しかし、検索順位を上げるためにも、クリック率の改善は避けられません。この記事を参考に、あなたのコンテンツを検索上位に導きましょう。
なお、弊社レイアップではSEO対策をメインにコンテンツマーケティングを支援しています。
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